ぐぅうー。
 盛大に鳴り響いた腹に、俺はがっくり肩を落とした。そうだ、頭を使うには、まず腹ごしらえからだ。うん。
 人がいるかはわからないけれど、とにかく食堂へ向かおう。
 朝8時から夜10時まで営業している食堂は、鍵こそ開いていたものの、やはりがらんとして、誰一人いなかった。
 レジにも厨房にも、誰もいない。ガスの元栓も開いているし、仕込みをした形跡もある。それでも、どこを探しても誰もいないのだ。
 不用心にもほどがある。
「これじゃあ、ハンバーガーが食べられないじゃないか……」
 ここまで来たのに、ないとなると余計に腹が減ってくる。
「あぁ、購買にならあるかな」
 食堂のすぐ脇にある購買の冷蔵庫には、いつものように各種飲料を始め、作りたての弁当やサンドイッチが並んでいた。だがレジに人はいない。
 ラップに包まれシールを貼られたハンバーガーを見つけて、俺はほっと息をついた。鮮度は落ちるけど、これでもいいだろう。
 レジの操作なんてわからないので、とりあえずお金とメモを置いておいた。誰もいないからといって窃盗を働くなんてヒーローのすることじゃないし、監視カメラだって回っているに決まっている。それを見ている人間がいるかどうかはまた別の話だが。
 さて、食糧も手に入ったことだし、このままハンバーガー片手に校内の捜索を再開しようと思う。
 しかし、ここまで来るのに人っ子一人見かけなかったというのも妙な話だ。食堂や購買で働くスタッフたちさえいない。それなのに通常通り、朝誰かがやってきて鍵を開け準備を始めた形跡はある。
 明らかに異常事態だ。



ヨーロッパクラスに行けば、誰かいるかも。
アジアクラスに行けば、誰かいるかも。
やっぱり学校には誰もいそうにない。寮に戻ってみよう。



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