HAPPY TODAY!
イマジン、争いのない世界を。イマジン、朝学校に着いたら誰もいなかったっていう状況を。
あれ、おかしいな、今日は日曜日だったかな、それともナショナルホリデー? それとも全校上げての修学旅行、様々な可能性に思いを巡らせながら、俺はとりあえず、中身はからっぽでもそれなりに重いスポーツバッグをいつもの席に置き、燦々と陽光降り注ぐ窓辺へ近寄った。ため息が出るほどのいい天気だったが、窓から見える校庭はやはりシンとしたものだった。
無人の学校というのは、とにかく奇妙である。どこを見ても白々しい。
「……帰るか」
よくわからないが、寮に帰って一息ついてからカナダあたりに電話するのが一番だ。しかし学校にいないのなら、休日にはベッドの中で半日過ごすのを何よりの生き甲斐としているようなあの双子の片割れのベッドが、慌てて出てくる際ちらりと見えた分には確かにからっぽであったのは、どう説明したらよいのだろう。
俺は、狭苦しい部屋に机、ベッド、クローゼットをそれぞれ二つずつ並べただけの寮の部屋を思い返し、うん、確かにいなかったよな、と同室者の顔を思い浮かべた。
昨夜だって、いつもと同じ、何の変哲もない夜だった。俺はベッドに寝転がりながらスナックを片手にゲームに熱中。カナダはテレビのチャンネルを野球中継か何かに合わせると、一応は机に向かって、散々俺に「宿題は終わったの?」とぼそぼそ聞き取りにくい声で小うるさい注意を投げかけてきたのだ。「明日は休み」だなんてそんな話題は一言も出なかった。
おかしい、どう考えてもおかしい。
今……うん、9時だ。
腕時計とiPhoneとiPodのすべてを確かめて、俺は頷いた。7月5日月曜日、午前9時2分。
→学校の中をもうちょっと歩き回ってみる。
→寮に帰る。
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